夢への1歩というよりは、確かな1歩だった。西武秋山翔吾外野手(31)が、海外FA権行使を表明した。同時にメジャー挑戦を宣言。「あこがれというより、自分に力がついてきたかなっていう実感をしているうちに、どういうものなのか知りたいと思った。まずは行使が1歩目。その1歩目を踏めた」。メジャーが手に届く所まできた。

走攻守3拍子そろったヒットマン。同タイプにイチロー氏と青木がいる。「メジャーで数字を残された方々。そういう人たちに少しでも追いつきたいとやってきた。それがよりメジャーで成績を残せたら、あこがれから目標に近づけるのかなと。距離はだいぶありますが、行かないと簡単に近づけるモノじゃない」。先駆者の背中を追いかける。

15年に歴代最多216安打を記録。今季も5年連続フルイニング出場を果たし、打率は3年連続3割を超えた。アピール材料には事欠かないが、プレミア12の舞台で「打って評価が上がる、打てなくて評価下がるのも自分の実力。こういう時期にこういう大会に呼んでもらって、自分が能力を高められるチャンス」と腕試しをしながらビッグオファーを引き寄せる。

すでにマリナーズ、カブス、パドレス、ダイヤモンドバックスなど複数球団に、国内の楽天とソフトバンクが調査。西武残留も含め水面下の動きは激しさを増すが、すぐに目の前を直視し「世界一のチームになれるよう全力尽くす。よくても悪くても、自分の結果と受け止め、チームのためにやり切る大会にしたい」と言い切った。【栗田成芳】