僕にはやっぱり野球しかない。覚せい剤取締法違反で有罪になり、執行猶予中の清原和博氏(52)が30日、今の胸中を赤裸々に語った。「WorldTryout2019」(11月30日、神宮球場)に「監督」として参加することを発表。会見前に行った日刊スポーツと動画配信サービス「Paravi(パラビ)」のインタビューで、野球が再び家族の絆をつないでくれたことなどを明かした。

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-今回トライアウトの監督のオファーを受けた

清原氏 正直お話をいただいた時は驚きましたし、本当に自分にとってもチャレンジだなと。野球の仕事に携われるということで、すごく胸が高鳴ったという思いですけれど。

-喜びの方が強かった

清原氏 そうですね。約…逮捕されてから約3年半過ぎますけれど、こうして野球に携われることが、自分にとっては…やっぱり自分は野球だなということを、あらためて感じさせていただいたので。精いっぱいやらせていただきたいなと思っています。

-さまざまな思いを持った選手が参加する。どんなことを望むか

清原氏 自分も最後は引退という形をとりましたけども、その前にジャイアンツの方から戦力外通告を受けて。その分では、その…今回参加する選手の気持ちは理解できるつもりなので。そういう目線で見たいなと思います。

-選手も最後のチャレンジという強い思いで臨む

清原氏 やはりあの…本当に最後のチャンスと思って選手はプレーされると思うので、僕もその…まぁ、当然、全員が全員チャンスをつかめるわけじゃないと思うんですけど。その選手の長所をちゃんと見たいなという。

-さきほど「胸が高鳴る」と話していましたが、他にはどんな思いが

清原氏 いや、感謝のひと言しかないですね。こういうお話をいただいて、またグラウンドに立てるという。そして自分がやってきた野球を。こんな早く、そういうチャンスというかお話をいただけると思っていなかったので。約1カ月ですけど、それに向けて自分なりにもっともっと勉強して準備したいなと。

-今回をきっかけに将来的にプロ野球の現場復帰とかも考える

清原氏 いや、今回、そこまで考えてませんね。まずワールドトライアウト。それに向けて僕は100%準備をするだけなので。それから先は、また、一切、分かりませんし、また地道に、その薬物依存という病気と闘いながら、またそういう機会を与えていただけるように、日々、努力していきたいなと思っています。はい。

-将来やりたいこととか考える段階ではない

清原氏 まぁ、以前のように、今自分が仕事を選べる立場ではないので。今の自分、これからの自分を見ていただいて、そして認めていただければ。あの…僕を仕事で選んでくれるのであれば、その仕事に対しては、精いっぱいやりたいという気持ちですね。

-いずれにしても野球というものは生活の中からは…

清原氏 そうですね。あちこち…11月は沖縄で、12月は八王子で、そういう野球教室の機会がありますので。そういう機会もいただきましたし。そういう少年たちと野球を通じて触れ合うことで、子どもたちも喜んでもらえればうれしいですし。僕自身にとっても、そういう子どもたちと野球を通じて触れ合うことで、そういう薬物依存の…そういうものから…の力をいただけると思っているので。それはすごく感謝していますし、これは自分1人ではその立ち直れないというか、いろんな人の力を借りて立ち直っていくものだと勉強しましたし、今までこの3年半、僕自身も実感しましたし。

その…今までここ2年くらいは野球中継も見なかったですし、ほとんど野球も見ませんでしたけども。今年はすごく野球も見ましたし。「あぁ、この選手、こうすりゃもうちょっといいのにな、もったいないな」という。そういうことを考えている自分に、自身で驚いてしまったりだとか。今はそういう自分なんですけど。(終わり)

◆清原氏の事件経過 16年2月2日、警視庁が清原氏の自宅マンションを家宅捜索。覚醒剤を所持したとして、覚せい剤取締法違反容疑で現行犯逮捕された。清原氏は「私のものに間違いありません」などと認め、所持罪、使用罪で再逮捕に。3月16日に弁護人が保釈を請求し、翌17日に保釈保証金500万円を納付して保釈。4月1日、前年9月ごろに知人の男から覚醒剤約1・2グラムを譲り受けた罪で、在宅のまま追起訴。5月17日に東京地裁で初公判が開かれ、清原氏は起訴内容を認めて即日結審。同31日に東京地裁から懲役2年6月、執行猶予4年の判決が下された。

◆清原和博(きよはら・かずひろ)1967年(昭42)8月18日、大阪府生まれ。PL学園では1年から4番を打ち、桑田投手とともに5季連続で甲子園出場。通算13本塁打を放ち、優勝2度、準優勝2度。85年ドラフト1位で西武入団。1年目から4番に座り打率3割4厘、31本塁打で新人王。96年オフにFA権を行使し巨人移籍。通算525本塁打は歴代5位。サヨナラ安打20、サヨナラ本塁打12、196死球、1955三振は歴代最多。西武と巨人でリーグ優勝10度、日本一8度。05年オフに巨人を自由契約になり、オリックス移籍。08年現役引退。現役最終年は、188センチ、104キロ。右投げ右打ち。

※動画配信サービス「Paravi(パラビ)」では、今回のインタビューを31日から配信します。また、11月30日に開催される「WorldTryout2019」を独占ライブ配信・見逃し配信します。