日本ハム万波中正外野手(19)がメジャーから熱視線だ。沖縄・国頭での秋季キャンプ初日から、有望株に見惚れる人物がいた。

球団が提携するレンジャーズのポール・クルーガー氏(34)だ。マイナー部門を統括し、若手を的確にスカウティングしてきた大物は、今キャンプで印象的な選手の1人に「マンナミ」を挙げた。

クルーガー氏 間違いなく一番最初に目に留まった。体格だけでなく、野球に対する熱意、練習のエネルギーは、将来的にファイターズの核となれる。

この日で視察は終了。一緒に連れて帰りたい-という言葉はのみ込んで、名残惜しそうに言葉を続けた。

クルーガー氏 時が来れば“その判断”に迫られるかもしれないね。その前にファイターズを優勝に導くことが仕事になる。何年か、いい成績を残せば、そういうことを考えることになるかもしれない。

高い可能性を感じ、期待の言葉を残した。

大リーグ好きで、ケン・グリフィー・Jr.氏が目標の万波は、クルーガー氏の言葉を伝え聞くと「本当ですか? うれしいです」と笑顔。今回も、同氏にオフのトレーニング法を質問するなど、どん欲に“チャンス”を生かして成長のヒントを得た。「アメリカの考え方は足から力を出すのがベース」と下半身強化の必要性を認識。新任の小笠原ヘッド兼打撃コーチからも同様の助言を受けた。「大それたことは考えていない」と、今はメジャーでのプレーを考える暇はないが、励みになる置き土産を受け取った。【木下大輔】

○…クルーガー氏とともにメディカルコーディネーターのショーン・フィールズ氏(35)も初日からキャンプに参加した。日本ハムの練習メニューの視察に加え、投手陣やトレーナー陣への講義なども行われた。岩本チーム統轄副本部長兼国際グループ長は「一方通行ではない情報交換ができた。いろんな質問をしている選手もいた。秋季キャンプにスパイスを加えてもらった。来ていただいて良かった」と振り返った。

◆万波中正(まんなみ・ちゅうせい) 2000年(平12)4月7日、東京都生まれ。横浜では2年夏、3年の夏甲子園出場。18年ドラフト4位で日本ハム入団。今季は8月14日ロッテ戦で1軍デビューし、通算2試合4打数無安打。2軍戦は90試合298打数71安打14本塁打42打点、打率2割3分8厘。190センチ、90キロ。右投げ右打ち