ルーキーの侍ジャパン甲斐野央投手が、勝利をもたらした。2点を追う8回に5番手で登板。1イニングを3者凡退に仕留めた。

「こういう試合展開、粘り強く、何とか投げることで、流れは来ると思っていた」。言葉どおりに打線が直後に6点を奪い、侍ジャパン初の公式戦マウンドで勝利投手となった。

ブルペンとマウンドでは傾斜の高さに差があったというが「大学時代から海外のマウンドは硬く、低いことも分かっていた。そこまで気にならなかった」とプロ1年目とは思えない対応ぶりで、意に介すことはなかった。「もちろん緊張はしていたし」といいながらも、「僕は逆に緊張しないとダメなタイプ」と大舞台で存在感を示した。

1年目ながらソフトバンクで65試合登板の経験が生きた。「緊張感はあったけど、NPBでああいう場面で投げさせてもらって、経験がすごく生きてるなと感じた」と頼もしかった。「日本代表に入らせていただいて、どこのイニングで投げるか、任せられるか、どのイニングでも自分の出せるピッチングを出そうとそのために準備を怠らずマウンドに上がってきた」。落ち着いたマウンドさばきで勝利に貢献した。【栗田尚樹】