「打撃の神様」と呼ばれた巨人V9監督、川上哲治氏(故人)の生誕100年を記念した展示会が23日、同氏の故郷である熊本・人吉の「道の駅人吉・人吉クラフトパーク石野公園展示室」で始まった。

来年3月に生誕100年を迎えることを機に、川上氏の偉業をあらためて伝えるため、人吉市などが企画した。同氏ゆかりの品およそ150点や、長嶋氏、王氏らV9メンバーからのメッセージなどを展示している。

ひときわ目を引くのは、川上氏が監督時代に金田正一氏に贈った、直筆の書入りの掛け軸。1968年6月23日の広島戦で通算907試合登板を果たし、サイ・ヤングが持っていた当時の大リーグ記録を金田氏が抜いた際に贈ったものだ。金田氏は今年10月に逝去したため、メッセージの代わりに遺族が提供を申し出た。

オープニングセレモニーに参列した川上氏の長男・貴光(よしてる)さん(73)は、父親が晩年使っていたつえとともに壇上に上がり、「父もこの場にいたいでしょうから。皆さまのご尽力とご協力に心より感謝申し上げます」とあいさつした。記念展は来年11月までの1年間、同所で行われる予定。12月8日には王貞治氏と人吉市出身の元巨人・末次利光氏の記念トークショーも同所で行われる。