大腸がんを患いながら病を乗り越えた阪神原口文仁捕手(27)が6日、兵庫・西宮市内の球団事務所で契約を更改。3000万円から200万円減の年俸2800万円でサインした。「多くの方のサポートのおかげで、この場にも立てている」と、感謝した。

今年1月8日に大腸がんを患っていることが発覚。1月末に手術を受け、抗がん剤治療に向き合うなど闘病しながら復活への道を歩んだ1年だった。

6月4日ロッテ戦で1軍復帰。その復帰初打席で左越えの適時二塁打を放った。さらに同9日の日本ハム戦ではサヨナラ打。7月の球宴でも2試合にまたがっての2打席連続アーチを放つなど、ファンに夢を与え続けた。多くのファンの印象に残る復活劇に「周りでサポートしてくれた方々に最高の結果を届けられたことはうれしく思う」と、振り返った。来季に向けては「アピールしなければいけない立場。もっと数多くスタメンで試合に出て、チームのために貢献していきたい」と、力強く語った。(金額は推定)

★阪神原口の激動19年シーズン★

◆大腸がん 1月8日に人間ドックを受診し、その当日に大腸がんを宣告されたという。1月26日に手術を受け、2月2日に退院するまでの入院期間中に病理検査の結果やステージ3bだったことを告げられた。2月6日から7月9日まで錠剤による抗がん剤治療を受けた。抗がん剤治療を終えることになった7月9日が球宴のプラスワン投票選出と重なった。

◆2軍合流 3月7日、2軍に合流。鳴尾浜の室内でトレーニングを始める。

◆1軍復帰即タイムリー 6月4日に1軍登録され、ロッテ戦9回に代打で登場し、適時二塁打。

◆240日ぶり1軍甲子園 6月7日日本ハム戦で、6回代打で登場。

◆ただいま!サヨナラ打 6月9日の日本ハム戦で同点の9回2死二、三塁で代打に。中前にサヨナラ打を放った。お立ち台で「ただいま!」と絶叫。

◆球宴で本塁打 7月12日のオールスター第1戦で、9回2死一塁でコールされ、オリックス山本から左中間スタンドへ運んだ。

◆夢の2打席連続弾 7月13日の球宴第2戦で、「7番DH」で先発出場。2回の第1打席で、前夜に続き2試合にまたがっての2打席連続本塁打を放った。

◆リーグ特別賞 11月11日、プロ野球セ・パ理事会が行われ、不屈の闘志で大病を乗り越えた原口はリーグ特別賞に選出された。