中日石川昂弥は投打で活躍し、昨年は東邦を平成最後のセンバツVへけん引した。主将に就任した18年秋から、スーパー高校生は著しく成長した。クラスの担任も兼ねる野球部の小嶋裕人野球部部長（58）は「主将になってから、すごく変わりましね。主将になるまでは、自分のことだけを考えていましたが、周りを見るようになりました」と証言する。練習で仲間へのフォローを忘れず、気配りが行き届くようになった。

ドラフト後は新聞、テレビからの取材が殺到。小嶋部長は年末まで「マネジャー役」として日程調整などで奔走した。多忙の日々だったが、その中でも石川昂は笑顔を絶やさなかった。小嶋部長は東邦の教育方針について「チームだけではなく、自ら関係する人には感謝しないといけない」という。教えを受けた石川昂の姿勢は、東邦の3学年上の先輩、中日の藤嶋にも通じる。今月入寮して、新たな仲間と生活を始める18歳が、どんな化学反応を見せるか楽しみだ。【中日担当＝伊東大介】