「未完の大器」で終わらせない。昨年10月に右ひじのクリーニング手術を受けた楽天安楽智大投手が7日、仙台市内の室内練習場でリハビリ組練習に参加した。

済美高2年時に157キロを計測し14年ドラフト1位で入団も5年間で通算5勝。今月下旬のブルペン復帰を目指す右腕は「結果を出さないと今までやってきたことが否定されてしまうのは仕方ない。何が何でも結果を出したい」と熱を込めた。

1つの答えを出した。「155キロを投げたから1位をとれるスポーツじゃない」とカットボール習得に挑戦。館山2軍投手コーチ、則本昂ら同僚だけでなく、昨年末に参加した愛媛県人会でオリックスの平井投手コーチ、BC福島の岩村監督ら他球団の指導者にも助言を仰いだ。「左打者に『こいつ突っ込んでくるぞ』と思わせたい」と“キラーボール”を忍ばせる。

以前はドジャースのカーショーらと自主トレを行い、エースを夢見た。ただ昨季後半、中継ぎで5試合登板し先発へのこだわりは薄れた。「1軍にいないと仕事ができない。どんな状況でも仕事できるよう準備したい」。おみくじは吉。「『今までやってきたことが実る』と。信じていいのか分からないですけど」。己の右腕で野球の神様をほほえませる。【桑原幹久】