白星量産バッテリーになる! 阪神梅野隆太郎捕手(28)が10日、昨季ともにゴールデングラブ賞を獲得した西勇輝投手とのコンビを進化させる決意を明かした。

12月下旬にはハワイで合同自主トレも行い、連日野球談議に花を咲かせたという。女房役は「勝てる投手を目標にお互いやっていけたら、という話をしました」と気合十分だ。

ハワイ滞在期間は約1週間。早朝からランニング、ウエートトレで体をいじめ抜き、自慢の強肩はすでに「だいぶいい」というほど仕上がった。もちろん、収穫は肉体面だけにとどまらない。遠慮なく意見をぶつけ合った結果、2人は「負けのつかない投手(コンビ)になっていきたい」という共通認識を強めた。

西勇は虎移籍1年目の昨季、1年間ローテを守り抜いて10勝8敗、防御率2・92。先発陣の柱としてフル稼働したが、シーズン序盤は好投しても白星がつかないケースが目立った。「長いイニングを投げても最後もうひと踏ん張りのところで点を取られて負けて…。それが一番悔しかった。長いイニングを投げても引き分け、勝ちを呼び込めるようにしたい」。梅野は2人の思いをそう代弁する。

1勝でも白星を増やすため、1敗でも黒星を減らすため、考え方にも変化をつける。昨季は「常に1試合、1試合でベストを」というイメージでいたが、今季は試合中盤や終盤、シーズン中盤や終盤と先を見すえ、餌まきをより意識する。「しつこいリードが大事になってくる。(先のことも)逆算しながらベストを尽くしてやっていきたい」。難攻不落のコンビへ、向上心は尽きない。【佐井陽介】

▼昨季の西勇輝は、レギュラーシーズン26試合とCSファースト、ファイナル各ステージともに1試合の計28試合中、26試合でバッテリーを組んだ(ほかに坂本2試合)。この26試合で10勝9敗、防御率3・01だった。なお最優秀バッテリー賞が阪神から出たのは過去2度で、03年の井川慶-矢野輝弘、05年の藤川球児-矢野輝弘。