日本ハム吉田輝星投手(19)の完全復活が近づいている。27日、自主トレを行う2軍本拠地千葉・鎌ケ谷でブルペン入りし、今オフ最多となる50球を投じた。直球を軸にツーシームも5球ほど試投。昨秋のキャンプで右肘に違和感を感じ、慎重に調整を進めてきたが、順調な回復ぶり。2月1日の春季キャンプ初日にもブルペン入りを予定しており、目標とする15日実戦登板(紅白戦=国頭)が見えてきた。

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テンポ良く次々と投げ込んだ。ブルペンに入った吉田輝は無心で右腕を振った。「体力的にも落ちているので心肺機能を高めながら。テンポよく投げると自然な感じで何も考えないで投げられる。徐々に上げていって、最後の10球はしっかり強めに」。36球目からは自然と声が出るほど力を入れ、一気にギアアップ。キャンプ前最後の投球練習で、今オフ最多の50球を投げた。

昨秋、右肘に違和感を覚えてから、慎重に回復に努めた。ネットスローでフォームを固め、捕手とともにブルペンに入ったのは年明けの1月15日。捕手を立たせて23球投げ、その後は捕手を座らせ、17日に21球、20日に31球、23日は41球と球数を増やしてきた。この日は最後の5球で変化球(ツーシーム)も試した。「ストライク、入らないですね」と苦笑いも「徐々にやっていければ」。キャンプ2軍スタートも決まっているが、焦りはない。

ネット越しに見守った荒木2軍監督兼投手コーチは「去年(のシーズン中)に比べるとだいぶバランスよく振り抜けている。あとはキャンプに入って打者に対して投げてみてから」と話した。キャンプ初日にもブルペン入りを見込んでおり、そのま順調に進めばキャンプ第2クールの2月8、9日ごろに打撃投手を務めそうだ。

開幕が早いこともあり、2月の実戦は8日の紅白戦(名護)を皮切りに、昨年より2試合多い11試合。「実戦が入ってくるとどんどん(チームの)ペースも上がってくる。体を仕上げていきたい」。右肘の不安は、解消された。目標とする5戦目15日の紅白戦(国頭)へ「(キャンプは)スタートから気合をいれていかないといけない」と集中している。【山崎純一】