関大が2日、高槻市内のグラウンドで短期合宿を行った。昨秋は、47年ぶりに明治神宮大会で決勝に進出し準優勝。決勝では、慶大に0-8と完封負けを喫したが、早瀬万豊監督は「選手は全国で勝つにはこれくらいの力をつけないといけないと、基準やバロメーターができたと思う」。全国レベルを体感し、選手個々人が目標とする全国制覇への距離感、必要な材料を感じることが出来た大会となった。

日本一への足がかりとなる春季リーグへ向け、軸となるのは指揮官が「野球小僧みたい」とほほえむ野口智哉内野手(2年=鳴門渦潮)ら。野口は、高3時に夏の甲子園に出場し、投手として143キロをマーク。遠投120メートル、50メートル6秒前半の高い身体能力を持ち、広角に打てる打撃センスを武器に1年春からリーグ戦に出場。2年時から4番を務め、現在リーグ通算63安打。「リーグ記録が123本で、入学したときから目標の数字です。個人打率5割2分も到達してみたい」と志を高く持つ。

昨秋神宮大会も4番で出場。7回まで完全試合のペースをくらった慶大戦では、先頭打者の8回にチーム初安打を放ち、最悪の展開を阻止した。「自分は(左右)両方に打てるのが持ち味。決勝で高橋(佑樹=川越東)投手からレフト前に良い打球が打てた。3試合ともヒットが打てて、全国レベルの投手から打てたのは自信になりました」。この冬は、チーム全体としてもスイング量の増加に力を入れ、野口も1日500~700スイングを基準に冬の成長を狙う。「2回生であの場面に立たせてもらえた経験もある。勝つことを目的としてやっていきたい」と、春の開幕を睨んだ。

◆野口智哉(のぐち・ともや)1999年(平11)9月20日、奈良県橿原市出身。小1時に真菅ファイターズで野球を始め、中学では葛城JFKボーイズに所属。鳴門渦潮では夏からベンチ入りし、高3夏は甲子園1回戦敗退。181センチ、87キロ。右投げ左打ち。