支配下まで「モタモタ」してらんね~。巨人育成2年目のイスラエル・モタ外野手(24)が、1軍紅白戦で3打数3安打2打点と大暴れした。4日の1軍対2、3軍戦では2軍の4番として4打数1安打1打点。2軍スタートだが、14日に沖縄へ移動する1軍部隊のメンバー入りを、ほぼ当確させた。

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大城から「ヒーロー」と呼ばれ、恥ずかしそうにするモタが、報道陣の前に現れた。昨季は3軍が主戦場。イースタン・リーグでもわずか22試合、1本塁打の男が、巨人1軍紅白戦で3打数3安打2打点。主役となった。「同じチームの戦いだけど、競争に変わりはない。そういう意識でやれた」と言葉にハングリーさがあった。

2年目は“モタモタ”なんかしていない。3点を追う5回の第3打席は、1死満塁。カウント2-2と追い込まれながら、外角低め直球を捉え、三遊間を破った。第1打席はバットを折りながらも左前打。そこから盗塁を目指した。盗塁死となったが、積極性もアピール。4日の1軍対2、3軍戦でも2点適時打を放ち、元木ヘッドコーチを「(2軍に)置いていく感覚はないよね」と言わしめ、14日の1軍沖縄行きをほぼ手中に収めた。

2人の存在が生きた。阿部2軍監督からは「硬くならずに、自分の100%を出せ」と背中を押され、新加入したパーラには「腕が下がらないように。上から下にいくスローイング」とアドバイスを受け、早速実践した。2点ビハインドの4回1死三塁。左翼に上がった飛球を、本塁へノーバウンド送球。三走岡本を微動だにさせなかった。

精神面で成長も生きた。1年目の昨季は「モチベーションが安定していなかった」と反省。17年の入団テストを1度は落ち、18年に再受験し“1浪”で巨人入団を勝ち取った。「ビッグになりたい」と原点を再確認。いつかは「世界を見てみたい。いろんな国に行ってみたい」と夢がある。背番号「014」から2桁へ。モタのモヤモヤはなくなった。【栗田尚樹】

▽巨人原監督(モタについて)「攻撃的で、うちにはいないタイプ。若さとハングリーさがある。僕の中ではビッグニュースですね、彼の存在は」

▽大塚球団副代表(モタについて)「いいね。(支配下登録の可能性は)上がってきている。じっくり見てと思ってます。面白いよ。変化球にも対応している。足もあるし肩もある。去年とは全然違います」