右足首捻挫の影響で別メニューだった阪神ドラフト2位井上広大外野手(18=履正社)が8日、2軍安芸キャンプの本隊に初合流して、プロ入り初めて屋外フリー打撃に臨んだ。

打撃投手を相手に37スイングで柵越え4発。滞空時間の長いアーチをすべて左翼方向に架けた。マシン相手に柵越えはなかったが、冷静にタイミングをはかった。力感はなくても飛んでいく。フェンス間際への飛球も目立ち、平田2軍監督、和田TAらが見守る前で長距離砲の片りんを見せた。

「緊張、めちゃめちゃしました。全力で振ると力みが出て打撃が崩れる。思い切り振らず、しっかりミートしました」

昨年11月に右足首を捻挫した影響で、1月の新人合同自主トレから練習メニューを制限されていた。2月のキャンプイン後も別メニュー。キャッチボールやティー打撃などを行い、ベースランニングもこなせるまでに回復していた。チームで唯一、屋外フリー打撃を行っていなかったが、ようやく第1歩を踏み出した。

「外で打つのは久々だった。感覚のズレがあった。第2クールが始まったばかり。これから合わせていけるようにしたい」

キャンプイン後は和田豊テクニカルアドバイザー(TA)が付き添って練習してきた。同TAには「全部が全部、100%の力でやれることはない。オンとオフが大事。抜くところは抜いて、力を入れるところは力を入れる。キャンプではケガしないことが一番」と助言されたという。力まずに球を乗せて運べるタイプで飛球角度もホームランバッターそのもの。平田2軍監督も「軽く振って、あれくらいの飛距離を出す。角度というか、落ちてこない放物線」と高く評価した。右打ちの長距離砲で、レギュラーに定着した生え抜き選手が長らくおらず、球団にとって不毛のポジションだった。期待を背負い、これから状態を上げていく。