右足首捻挫で出遅れていた阪神ドラフト2位井上広大外野手(18=履正社)が8日、高知・安芸の2軍キャンプの本隊に合流し、プロ入り初の屋外フリー打撃でスラッガーの片りんを見せた。平野内野守備走塁コーチを相手に37スイングで柵越え4発。左翼方向に高々と舞う弾道に非凡さが表れていた。

ケージ裏で見守る平田2軍監督が「軽く振って、あれくらいの飛距離を出す。角度というか、落ちてこない放物線」と評すれば、練習に付き添ってきた和田TAは「本当はもうちょっとキレがあって、ドーンといく。あんなものじゃない」と明かすから末恐ろしい。

首脳陣の熱視線を浴びても、地に足がついていた。高校時代と同様、ノーステップで打ち始め、左足を上げる動作を繰り返した。「体のなかで打つのを意識して」と明かす。高校の先輩、ロッテ安田の考え方を伝え聞き、打席で生かす。打撃マシンも含めて合計106スイングは試運転だったが力みなく驚異の飛距離を出した。

井上は「緊張、めちゃめちゃします」と苦笑いだが「全力で振ると力みが出て打撃が崩れる。思い切り振らず、しっかりミートしました」と気負いはない。足のサイズは規格外の31センチだ。大物の雰囲気を漂わせ、堂々とホームランバッターの王道を進む。【酒井俊作】