<練習試合:ロッテ20-4台湾楽天>◇8日◇沖縄・石垣島

ロッテ-台湾楽天の練習試合が石垣島で行われた8日、台湾楽天のチアガールが異彩を放っていた。新聞をレイアウトをする部署に所属する日刊スポーツ飯岡大暉記者(23)が台湾側の応援席に潜入した。

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朝7時すぎに球場に到着し、先輩記者から「体験記書けるように自分で取材してね」の一言。久々の取材活動とあって頭を抱えた。

まず、球場や室内練習場を駆け回り、練習を見学。佐々木朗希投手(18=大船渡)のキャッチボールを見て「球速いなあ」、井上晴哉内野手(30)の柵越えの当たりを眺めては「なんであんな球が飛んでいくの」。素人丸出しの感想しか浮かばず、申し訳なくなる。

午後から台湾楽天との練習試合。試合が始まり、1回表の攻撃。三塁側から大音量の音楽と大歓声が聞こえてきた。

見に行くと、スタンド最前列で台湾楽天のチアガール「楽天ガールズ」が踊っていた。踊りをまねする200人弱の台湾楽天ファンたち。その手には、女性たちの顔や名前が書かれたタオル。彼女たちを撮るためのカメラ。台湾では、野球ではなく彼女らを目当てに球場に来るファンも多い。まさに“アイドル”だ。

とりあえずファンに紛れて踊ってみた。とにかく楽しい。日本との野球の楽しみ方の違いを感じた。

試合後、取材のために声をかけようとするが、台湾語が分からない。ニーハオ? シェイシェイ? 話しかけてみると、ちゃんと近くに通訳の方がいて安心。風が吹く中、足を出してパフォーマンスをしていたので「寒くないですか?」とたずねた。「踊ると汗をかくから大丈夫」の返答。

ここで急に我に返る。いけない、野球の取材になっていない。「佐々木朗投手を知っていますか?」と聞くと「新聞やネットで見て、顔も名前も知っている」と笑顔で口をそろえた。海を渡っても、大物ルーキーの名は知られていると分かった。よし、明日こそは野球の取材に集中しよう。【飯岡大暉】