阪神の新助っ人野手コンビ、ジャスティン・ボーア内野手(31=エンゼルス)ジェリー・サンズ外野手(32=韓国・キウム)がそろって実戦デビューした。ともに広島戦で2打席ずつ立ち、快音はなくてもそれぞれ特徴を見せつけた。

「3番DH」で先発した右のサンズは2四死球。第1打席は3球、第2打席は2球で追い込まれ、そこからファウルやコースを見極めて2度出塁した。内角攻めや低めの変化球に対応する選球眼の良さが光った。「外国人選手に対する攻め方の傾向はある程度は分かっているつもり。塁に出ることで貢献できることは間違いない」。昨年の韓国球界打点王が、この日はつなぎの3番に徹した。

「4番一塁」で先発のボーアは、味方も惑わす強烈なライナーを放った。第1打席は一ゴロ。3回1死満塁の第2打席。広島アドゥワの140キロ直球を捉えたが、鋭いライナー性の打球は野手の正面を突いて遊直。飛び出した二塁走者近本は戻れず、併殺となった。メジャー通算92本塁打の左の大砲は「いいスイングでいい打球は打ってもランナーを返せなかったら一緒。自分の仕事ができず、満足はしていない。1日1日自分の中で取り組む姿勢で」と気持ちを切り替えた。

矢野監督はサンズについて「追い込まれても簡単に打ち取られる感じは少なかった」とし「ボーアもポイント的にはいいポイントで捉えている」とともに内容を評価。2人は16日の楽天闘(宜野座)にも出場予定で、日本での実戦感覚を磨いていく。【奥田隼人】

▽阪神井上打撃コーチ(際どいボールを見極めて四球を選んだサンズについて)「そういうところを見ることが出来たのはこっちとしても安心材料。ああいう選球眼があれば早め(上位打線)で、となる」

▽広島田中スコアラー(サンズについて)「選球眼は素晴らしい。変化球を振ってくれると思ったけど。要注意」

▽中日金子スコアラー(ボーアについて)「しっかり捉えられているし、上がったら(スタンドまで)いっちゃうくらいの力強さがある」