オープン戦無観客の余波で阪神元監督で死去した野村克也氏の追悼試合を延期することが決定的となった。

3月8日巨人戦(甲子園)で同氏の追悼映像を試合前の球場ビジョンで放映し、黙とうをささげるセレモニーを行う予定だったが、阪神谷本球団副社長は「現実的には難しくなった。お客様が入っておられない追悼試合というのは変な話。事実上の延期です」と説明した。

開幕前のイベントも実施の再検討を余儀なくされる。野村氏の追悼試合の同日に甲子園で行われる予定だった新人選手のお披露目も観客がいない試合では実施する意味がなくなる。また、電鉄本社の激励会や例年3月に西宮神社などで行われる必勝祈願の実施も再検討される見込みだ。

甲子園での無観客試合は東日本大震災でオープン戦を中止して練習試合となった11年3月以来。阪神は今後、開幕までオープン戦11試合(うち主催試合は5試合)が組まれている。経済的損失も小さくはないが、同副社長は「そんなことを言っている場合じゃないという判断。協力を惜しまずにやっていきましょうということ」と一致団結を強調した。