さあ、怪力トリオが甲子園初見参だ。阪神新外国人ジャスティン・ボーア内野手(31=エンゼルス)、ジェリー・サンズ外野手(32=韓国・キウム)、来日2年目のジェフリー・マルテ内野手(28)が4日、オープン戦・広島戦(甲子園)に3人そろって先発する。無観客試合ではあるが、ボーアとサンズにとっては本拠地デビューとなる。

「楽しみだよ。本当に状態がいいし、どんどん試合に出たいね」。全体練習に参加したボーアは高ぶる感情を早速バットに込めた。フリー打撃では51スイングで柵越え7発。バックスクリーン下にある特設スペース「CoCoPARK」にワンバウンドで飛び込む、推定飛距離140メートルの“CoCo弾”まで披露した。宜野座キャンプから実戦ではいまだノーアーチ。4番一塁を任される「聖地デビュー戦」での来日初本塁打に期待が高まる。

一方のサンズは46スイングで2発。丁寧にライナーを広角へ打ち分け、初の甲子園戦に向けて「本当に歴史のある美しい球場だし、楽しみ」と腕ぶした。2月29日ソフトバンク戦では東浜から2打席連続アーチを記録。開幕左翼スタメン奪取へ、さらに結果を積み重ねていきたいところだ。

矢野監督はこの日、マルテを含めた助っ人野手3人の広島戦スタメンを明言した上で「(シーズンでも)十分にありえることなんでね」と続けた。「内野は土だし、外野は風とか、天気によっては見えにくいとかいろいろある。そういうところに慣れてもらうのも1つ」。いち早く甲子園で守備に就かせる気遣いにも、3人に対する期待値の高さが見え隠れする。

前日2日にはオープニングゲームの相手、ヤクルトの開幕投手が石川に決定。オープン戦でともに1打席対戦した左腕に標的が定まり、ボーアは「1度対戦しているのはプラス」と早くも気合十分だ。シーズンインまで残り17日。4日の打線は福留を加えた超攻撃型の布陣が予想される。怪力トリオが豪快な打撃を披露すれば、開幕ダッシュが現実味を帯びる。【佐井陽介】