師匠の教えを体現した。福島・いわき市出身の楽天内田靖人内野手(24)が、3試合ぶりに「8番一塁」で先発出場。適時打を含む4打数2安打1打点と気を吐いた。

今オフはチームの主軸を担う浅村から声をかけてもらい弟子入り。逆方向へ強い打球を打つための助言をもらった。「今までの試合の中ではできていなかったけど、この試合で少し自主トレの成果が出ました」と手応えを示した。

狙い通りだった。4回無死二塁。DeNA先発の左腕・浜口の外角のチェンジアップに反応。右翼線へ適時二塁打を放った。「右方向に強い打球を打つことを意識して、打席に立ちました」。8回1死一塁の第4打席でも右腕・大貫の外角ツーシームに逆らわず中前打。好機を広げ、この回の4得点に貢献した。

まだまだ満足はできない。高校通算37本塁打を誇る右の長距離砲として常総学院から13年ドラフト2位で入団。18年に58試合に出場し12本塁打を放ったが昨季の1軍出場は2試合のみ。2軍監督時代から期待をかける三木監督は「将来このチームでチームの中心選手になって、主軸を打たないとダメ。優しくて人間味は大好きなんですけど、もっと闘志を燃やして、相手に負けないメラメラした感じがほしい。こんな所で満足せず、必死になってやってもらいたい」と愛のある言葉でハッパをかけた。

内田も「結果が欲しいですけど、結果を気にしすぎたら、逆に結果が出ない。チームのためにできる打撃をやっている」。7年目を迎える未完の大器が、今季こそ覚醒する。【佐藤究】