<プロアマ交流戦:阪神10-2大商大>◇5日◇鳴尾浜

プロ注目の最速149キロ右腕、大商大・吉川貴大投手(3年=開星)が5日、阪神とのプロアマ交流戦で快投した。大山や高山など1軍主力選手も名を連ねた打線を相手に先発し、5回2安打無失点。関西6大学リーグでは未勝利右腕が、高い潜在能力を発揮した。

「力むことなくやろうと。0に抑えられて良かった」。初回、先頭の高山への2球目にこの日最速の146キロをマーク。その後、高山を145キロ直球で空振り三振に斬ると、2死から3番陽川を145キロ直球で中飛。2回1死では、大山から120キロ変化球で空振り三振を奪った。まともなヒットは高山に許した中前安打だけで、島田の内野安打も打ち取った当たり。ただ「球が上ずった」と献上した6四死球を反省。走者は毎回背負ったが、カーブなど緩急を駆使して要所を切り抜けた。

富山陽一監督(55)が「うちで一番いい投手」と信頼を寄せる本格派。1学年上にヤクルトのドラフト4位大西広樹投手(22)がいてチームの投手層が厚く、出場機会は少ない。リーグ戦での先発経験もまだないシンデレラボーイだ。「上から見下ろせられるような実力をつけていきたい」。昨年阪神と対戦した際は、大西が同じく5回2安打無失点で、引退したメッセンジャーが絶賛。先輩が爪痕を残した舞台で、後輩も続いて魅せた。【望月千草】

▽中日山本スカウト「フォークやカーブで緩急も付けられる。ボール自体はいいので、後は肩のスタミナをこれからつけていければ。まだ見ていきます」。

▽広島鞘師スカウト「元々スピードはある。1球1球は悪くないので、安定感があればもっといい」。