虎の4番がうれし恥ずかし? 初ヒット! 阪神新外国人のジャスティン・ボーア内野手(31=エンゼルス)が7日、日本ハム戦(甲子園)の2回に待望のオープン戦初安打を放った。

極端に一塁方向に寄る「ボーアシフト」を敷かれたが、ポッカリと空いた三塁方向に転がした。オープン戦9打席目でともした「H」ランプ。ボーアさん、次はド派手な1発を頼みますよ!

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4番ボーアのオープン戦初ヒットは豪快弾ではなく技ありの一打だった。先頭で打席に立った2回。カウント2-1からの4球目、外角に入った日本ハム・ロドリゲスの149キロツーシームに腕を伸ばして左方向に流し打った。打球はガラ空きの三塁に転がった。「自分は逆方向にも強い打球を打てる打者だと思っているからね」。通常シフトなら、三ゴロだったが、オープン戦4試合、9打席目にようやく飛び出した待望のヒットに胸を張った。

「ボーアシフト」を破った。日本ハムベンチはシーズンを見据え、大胆布陣を試している。この日も大砲封じに臨んだ。ボーアが打席に向かうと、三塁手樋口が一、二塁間後方に向かって足早に移動。外野が4人の布陣で三塁はポッカリと空いた。右方向の引っ張る打球が多いという大リーグ時代のデータを分析。前日6日は二塁ベース右横への「遊ゴロ」と極端な網に掛かったが、この日は「シフトは気にならない」とその裏をかいた。

春季キャンプでは規格外のパワーを披露。シート打撃では2本のアーチを放ち、2月20日楽天との練習試合では初ヒットを放った。ただ、その後のオープン戦では、前日6日まで3試合で7打数無安打4三振。周囲をヤキモキさせていた。ただ、家庭教師を付けて熱心に勉強した日本語をチームメートに披露するなど明るい性格と前向きな姿勢は変わらない。前日の試合後も井上打撃コーチらと配球について熱心に議論を交わして試合に備えた。

打球が転がった瞬間、ベンチで苦笑いを浮かべた矢野監督は「もっと豪快なバッティングを見たいという気持ちはあるけど…」と本音ものぞかせたが、「オープン戦とはいえ、ゼロは気持ち悪いし、1本出たというのはプラスに捉えていい」と流れが変わることを期待。ボーアも「昨日と今日で感じは徐々に良くなっているよ」とスマイル。開幕まであと6試合。詰まっていたものがドバッと飛び出すかもしれない。【桝井聡】

▽阪神清水ヘッドコーチ(ボーアについて) 残り少ないオープン戦の中で調子を上げてくれればいい。ヒットがついただけでもほっとするかもしれないし。とにかくシーズンに期待しているので、残りの6試合でどんどん調子を上げてもらえるようにするだけ。

▽阪神井上打撃コーチ(ボーアのオープン戦初ヒットに) あいつ初ヒットだっけ!? 本人とは話しているけど、てんてこ舞いという感じではない。開幕まで少ないけど、こちらとしては提供する打席で開幕の時にはいい状態にしてもらいたい。