ソフトバンク上林誠知外野手(24)が戻ってきた。13日の広島戦で、2月23日オリックス戦(宮崎市清武)以来となるオープン戦に途中出場。7回に回ってきた打席で、いきなり左中間への二塁打を放った。キャンプ終盤から好調だったが2月25日に発熱で離脱。その間、激しい外野戦争で「蚊帳の外」だった男が、バットで結果を残した。

ペイペイドームとなって初めての打席。「ドームは久しぶりだったので球を見たかった」。6球目を振り抜いた打球が左中間フェンスを直撃した。「ずっと好調だった。自分のやることをやってきた。勝つためには必要だと(首脳陣に)思わせるしかない。若手も出ているので負けられない」。この日は教育リーグの2軍戦(タマスタ筑後)に出場してからナイターのオープン戦出場と「親子ゲーム」でアピール。外野争いに「参戦」できた喜びで笑みを浮かべた。

ライバルは多い。腰に張りを訴えて対巨人2連戦を休んだ中村晃が、この日3番右翼スタメンで復帰し2安打。3回の2打席目は粘って16球目を適時打にした。途中出場の長谷川も2安打。2軍調整中の柳田も含めて外野争いのレベルは高い。工藤監督は「上林くんは悪くて下に落ちたわけでなはい。1打席目でヒットが出て気持ちもいいだろう。あっちの方(左方向)に飛ぶのは上向きな証拠だ」と好調外野手が1人増えて、うれしい悲鳴となった。

上林 絶対に開幕スタメンで出てるということを常にイメージしている。開幕は延びたが自分はいつでも開幕できる。

オープン戦では2試合4打数3安打。帰ってきた上林が逆襲に転じる。【浦田由紀夫】