プロ野球独立リーグ、BC新潟は15日、長岡市内の球場でキャンプ2日目の練習で、ベースランニング、シートノックなどを行った。在籍10年目、節目のシーズンを迎える足立尚也内野手(31)は、12年以来8年ぶりの独立リーグ日本一に思いをはせた。

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足立は袖を通して練習するオレンジの新潟ユニホームに喜びを感じていた。「1つのチームで10年も野球ができるとは思わなかった。ユニホームを着られるのは幸せ」。その思いをグラウンドにさく裂させて、区切りの年に狙うのは8年ぶりの独立リーグ日本一。「チームのために、自分ができることをやりたい」とフォア・ザ・チームに徹する決意だった。

NPB入りを目指して、11年に新潟に入団した。31歳の現在は「正直、厳しいと思っている」と言う。しかし入団10年目のベテランは成長を続けてきた。身長は180センチ。入団時は「ひょろひょろ」の体重70キロだったが、80キロに増え、パワーをつけた。昨季の打率は2年連続3割超えの3割9厘。62試合に出場し181打数で56安打を放った。オフは体力アップを図るため、母校の桜美林大の施設を借りてトレーニング。準備は怠りなかった。

ルーキーだった11年シーズンの監督は、今季、総合コーチを務める橋上秀樹コーチ(54)だった。「入団当初はついていくのがやっと。(首脳陣の)興味の対象外の選手だった」と話したが、「年を重ねて経験も積み重ねた」といぶし銀のプレーを橋上コーチの前で披露するつもり。「野球する姿をサポーターと、自分に関わるすべての人に見せたい」とパワーのすべてをグラウンドで吐き出す覚悟だった。【涌井幹雄】