BCリーグ新潟は31日、ハードオフ新潟で新潟医療福祉大とのオープン戦を無観客で行う。インド人の父を持つルーキー、ネイサン内野手(22)がアピールを狙う。PL学園、東京国際大で4番を務めた実力者。持ち前の打撃センスを披露し、目標のNPBドラフト指名へ弾みをつける。

初めて臨む独立リーグ。ネイサンのテーマは明確だ。「1試合でも多くスタメンで活躍したい」。ここまでのオープン戦2試合はいずれもスタメン。25日の武蔵戦は7番・左翼で3打数1安打1打点。ハードオフ新潟(エコスタ)で行った28日の石川戦は6番・一塁で3打数無安打1得点だった。新潟医療福祉大戦では武蔵戦以来の安打を狙う。

清水章夫監督(44)は「打撃練習でもただ打つだけでなく、1球ごとに意図がある」と称賛。今季初めてエコスタで練習を行った24日には、打撃練習でいきなり右翼席に1発。176センチと決して大柄ではないが、軸のぶれないシャープなスイングで的確に投球を捉える。PL学園では通算17本塁打、東京国際大では通算8本塁打を放った。パンチの利いた打撃の土台には持ち前の冷静さがある。

「子どもの頃からの夢だったNPB入りが目標」だと語る。PL学園時代からNPBの球団から注目を浴びていたが、大学最終学年の昨秋は指名されなかった。卒業を機に野球を辞めるつもりだったが、春、秋季ともに、東京新大学リーグでチームが4位に終わり、気持ちが変わった。「やり切った感じはなかった。まだ納得していない」。就職は考えず、独立リーグをステップにNPBを目指す決意をした。

野球好きの父プラカミュさん(45)からも「頑張れ」と後押しされた。PL学園卒業後、亜大に進学したが、雰囲気になじめず1年の途中で中退。その年の9月に東京国際大に入学した。半歩遅れたスタートだったがハンディは感じていない。「NPBのスカウトに見てもらうためにも、まずは結果を残す」。オープン戦から高い意識で打席に立つ。【斎藤慎一郎】

◆ネイサン(本名グルラジャニ・ネイサン)1997年(平9)11月4日生まれ、兵庫県出身。摩耶小3年の時に軟式野球を始める。上野中では少年硬式野球の神戸西シニアに所属。PL学園では1年の秋からベンチ入りし、2年の秋からは4番、1番を打って主に三塁を守った。3年の夏は大阪大会ベスト8。東京国際大では3年の秋からレギュラー。4、5番を務めた。176センチ、76キロ。右投げ左打ち。背番号3。