3選手が新型コロナウイルスに感染して活動休止中だった阪神が15日、甲子園、鳴尾浜の両球場を開放し、自主練習で20日ぶりに活動を再開した。練習後にオンライン取材に応じた福留孝介外野手(42)は、開口一番にチームから感染者が出たことを謝罪。自宅待機中や久々にグラウンドで体を動かせた思いを語り、緊急事態宣言が出される中で改めてファンにメッセージを送った。

   ◇   ◇   ◇

画面越しに約40人の報道陣と向かい合った福留は、神妙な面持ちで自ら切り出した。「NPBの関係者はじめ、中日ドラゴンズの関係者、そして阪神タイガースの職員の方々に多大なご迷惑をお掛けしたのは、同じユニホームを着て同じチームでプレーしている選手として、本当に皆さんに申し訳なかった、というのをまず最初に言わせてください」。藤浪ら3選手が新型コロナウイルスに感染したことを真っ先に謝罪した。

3月26日の途中でチームの練習が取りやめとなって以来の活動再開。自主練習は、接触を減らすため甲子園と鳴尾浜を使い、野手と投手が2組に分かれ、さらに午前と午後に分かれて行った。甲子園では1軍の計30人が参加。キャッチボールやノック、ティー打撃などで汗を流した。球界最年長42歳は「久しぶりに施設を使わせていただいて、練習で体を動かすことができたのは良かった」と感謝した。矢野監督やコーチ陣は参加せず、選手たちは分散して距離を取り、会話は最低限とした。「みんなが密にならないということを心掛けながら」と感染予防を徹底したと明かした。

活動休止中はチーム関係者全員が自宅待機。心身ともにもどかしい期間を過ごした。福留は「家の中でできることを続けながら」体を動かし、映画観賞や部屋の掃除、模様替えなど普段できないことも行った。「気持ちのオンとオフをしっかりと作りながらというのは心掛け、やっていました」。そんな中でチームから感染者が出た事実とも向き合った。「もっと自分たちが気を引き締めてやっていかないと」とも明かした。

開幕どころか、先の見えない日々は続く。「できる中で、最大限の準備をしていきたい」。最後に、野球がある日常を待ちわびるファンに向けてメッセージを送った。

「安心して野球を見られる、野球をプレーできるという環境になるまで。1人、1人が我慢をしなければいけない時だと思います。我慢した先に、すごく楽しいことがあるとなれるよう、やっていけたら」【奥田隼人】