ソフトバンク内川聖一内野手(37)が17年ぶりに開幕を2軍で迎える。移籍後初めてで、横浜(現DeNA)でプロ3年目だった03年以来。練習試合再開後は7試合で21打数1安打と精彩を欠いていた。森浩之ヘッドコーチ(55)は15日、ペイペイドームでの投手練習を視察。ベテランを重要な戦力とした上で、完全復活に期待を寄せた。

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18年には2000安打も達成したバットマンは苦しんでいた。内川は今月2日からの練習試合では7試合の出場で21打数1安打。10日オリックス戦を最後に先発出場はなく、最終戦だった14日広島戦では最後まで出番がなかった。今季は選手起用について、工藤監督も「結果を重視」と方針を打ち出していたこともあり、成長著しい栗原が開幕一塁のポジションをつかむことになりそうだ。

ただ、シーズン120試合とポストシーズンを戦う上で内川の存在がチームに必要なことは明らかだ。ベテランの経験値、勝負強さは誰もが認めるところ。森ヘッドコーチは「今の状況を考えたって、右(打者)が少ない。そんな中で、内川がどう考えても(1軍に)ほしいわけやから。なんとしても復活してほしいよな」と期待を込めた。

内川はここ2年、打率2割5分前後と不振が続いた。昨年の日本シリーズ終了直後からほぼ無休のオフを過ごし、今季へ強い思いを抱いていた。新型コロナウイルスの影響でチーム練習を自粛していた期間も精力的にトレーニングをこなし「状態はすごくいい。体に不安なくやれることが一番楽しい」と明るい表情を見せていた。特別な思いで挑むシーズンに、このまま終われるはずがない。

森ヘッドコーチは「あれだけの選手がこういう状況になる。我々の想像を絶するところがあると思う。自分がしっかりと自信を持って打てるスタイルを考えて、なんとか取り戻してほしい」。あえて戦線から離れたところで自身を見つめなおし、本来の姿を取り戻すことを願った。スタートは出遅れることになったが、巻き返しはこれからだ。【山本大地】