史上最も難解な順位予想を極力? 忖度(そんたく)なしで、日刊スポーツが誇る名捕手のコンビで占う。通算最多出場でペナントの荒波を知る谷繁元信氏(49)と球界屈指のアイデアマンの里崎智也氏(44)が対談。新型コロナウイルスの感染拡大で約3カ月遅れで幕を開ける予測不能なペナントを解く。【取材・構成=井上真、広重竜太郎】

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放談も特別なシーズンへの提言も忘れない。

谷繁 開幕前に故障者も出ているが、これだけ期間が空いて、少し実戦をやり始めて体調を崩すというのは、何をやっていたんだ。

里崎 韓国も肉離れが続出。試合になるとマックスで動くから難しいですね。

谷繁 己が試されている。そうは言っても自分が現役なら、やっていたか…。でも人目に触れずに帽子をかぶり、マスクをつけて、どこかでダッシュをするな。

里崎 僕は絶対にやっていない(笑い)。走るまではやったと思うが、ダッシュまでハードワークしない。

谷繁 プロ野球人の素質と自覚がはっきり表れる。

選手にプロ意識を、一方で組織に連帯感を求めた。

谷繁 セパでCSのあるなしが起きた。一体感がない。

里崎 CSのないセは消化試合になる。タイトルのかからない外国人は出場しなくなる。お客さんも入場できても感染リスクがある中で来るか。現役時代も消化試合はつまらなかった。

谷繁 自分は秋季キャンプへの体力づくり(笑い)。

里崎 打率が下がる進塁打なんか打たない。勝っても負けても一緒になる。

日本シリーズも違う方式で進み、日本一を争う。

里崎 05年のロッテ-阪神が起こり得る。僕らはプレーオフ(PO)を勝った勢いで、POがなく2週間空いた阪神に勝った。でも言い訳にできない。

谷繁 それもあるが、この状況でプロ野球が1つじゃないと世間に捉えられる。同じルールでやろう。それにしても、今季は見ものだね。

評論家の威信をかけて当てたい。それ以上に新様式の中でも素晴らしいシーズンを見たいのだろう。

谷繁 見もの…。この対談をどう原稿をまとめる? 俺らの首を絞めるか、部数を取るか。

里崎 どっちかと言うとシゲさんの首の方が絞まっているような…。

部数のために放送コードぎりぎりで掲載することをひそかに誓い、締めた。(敬称略)