中日ドラフト2位橋本侑樹投手(22)が20日のヤクルト戦(神宮)で12球団新人投手最速デビューを果たした。

3四球を与えるも、プロ入り最速150キロを計測。1回を無失点に抑えた。チームは今季初黒星を喫したが、左腕の好投は収穫材料。勝利の方程式入りへ上々のスタートを切った。

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丸刈り頭の左腕が12球団新人投手最速デビューを決めた。出番は2点ビハインドの5回。橋本は先発吉見の後を受け2番手で登場した。午後3時半過ぎ。新人投手の誰よりも早くマウンドに上がった。

「めちゃくちゃ緊張しました。投げている間もずっと緊張していて、ランナーが三塁にいった時にやっと緊張と力が抜けました」

先頭坂口にはボールが先行し、歩かせた。捕手の木下拓が坂口の盗塁を刺して一息ついたが、続く山田哲も追い込みながら四球を献上。すぐさま盗塁を決められ、揺さぶられた。6月2日の練習試合初戦。同じヤクルトを相手に、1回1/3で10失点の悪夢がよぎる。

ベテラン青木を二ゴロに打ち取り、2死三塁。ここで平常心を取り戻した。4番村上にはフルカウントの末に四球を与えたが、続く塩見には初球から大胆にインコースを攻め、146キロ直球で三ゴロに打ち取った。3四球と苦しみながらも、1回無失点でマウンドを降りた。山田哲の打席ではプロ入り後最速となる150キロも計測した。

橋本は6ミリにカットした丸刈り頭で登板していた。大商大時代にはリーグ戦前に気合を入れる儀式。開幕1軍入りを決めたことでプロでも敢行した。「走者を四球で出してしまったのは良くないですが、0点で帰ってこれたことは良かったと思います。最初から力を抜いて、思ったところに投げられるようにしたいです」。気合は入りすぎたが、結果オーライ。与田監督は「0点に抑えることで、どんどん自信もついてくると思う。開幕の緊張感も初めて分かったと思う。どんどん試合を重ねていってほしい」と合格点を与えた。

自己最速は153キロ。期待の左腕が、勝利の方程式入りへ第1歩を踏みしめた。【伊東大介】

◆橋本侑樹(はしもと・ゆうき)1998年(平10)1月8日生まれ、福井県出身。大垣日大では1年夏に甲子園出場。大商大4年秋には、関西6大学リーグでノーヒットノーランを達成。リーグ通算12勝5敗、防御率2・58。19年ドラフト2位で中日入団。18年に引退した竜のレジェンド左腕岩瀬の13番を継承した。180センチ、71キロ。左投げ左打ち。