楽天ドラフト3位の筋トレ大好き右腕、津留崎大成投手(22=慶大)が“マッスルデビュー”を果たした。21日、オリックス3回戦の5回からプロ初登板し、1回を無安打無失点に抑えた。

「筋肉対決」から第1歩を踏み出した。先頭は好機時の登場曲に「Macho Man」を採用する強打者の吉田正。両肩をすくみ上げ「ふー」と深呼吸から相対した。高速に曲がり落ちる「マッスルカーブ」で空振りを奪い、最後は外角低めのカットボールで見逃し三振。米通算282本塁打のジョーンズもこの日最速149キロの真ん中直球で二ゴロ。2四球も後続を抑え「太田さんの構えてくれたところに思い切り腕を振ることだけを意識した」と小走りで引き揚げた。

慶応高(神奈川)3年時の右肘手術を機に、ムキムキの筋肉を目指した。カブス・ダルビッシュ、ボディービルダーを参考に、デッドリフトは200キロもこなす。球速はぐんと伸び、最速153キロを誇る。ジムが使えない自粛期間中は懸垂ラック、32キロ可変式ダンベル、アジャスタブルベンチを通販で購入。最善を尽くした。練習試合では4回1/3を無失点。新人投手唯一の開幕1軍をつかんだ。

紳士で謙虚な姿勢で周囲の声に耳を傾け、力に変えた。「先輩方から自分自身の初登板の経験を話していただいてすごくためになった。シャギワから『落ち着け落ち着け』と言われたり、コーチからも『思い切って腕振っていけよ』と言ってもらえて思い切って投げられた。今日やっとスタート切れたので、また頑張っていきたいです」。高まる期待に、マッスル右腕は裏切らない。【佐藤究】