今秋ドラフト候補のホンダ鈴鹿・松本竜也投手(20=智弁学園)が1日、日本新薬とのオープン戦に6回途中から中継ぎで登板し、球場表示のガンで自己最速を5キロ更新する151キロをマークするなど、1回1/3を無安打無失点で抑えた。

まだあどけなさの残る20歳右腕が、成長の一端を見せた。勝ち越された直後の6回2死一塁から登板。「刺せるかな、と言うのは途中で見えていたので」と一走のリードを見逃さず、けん制球でアウト。「けん制で刺すというのはチームで取り組んでました。野手からけん制がうまい投手やチームはプレッシャーと言われていた」。チーム全体で磨いていた細かいプレーにも、落ち着いてしっかりケア。「そこを詰めないと日本一にはなれない。できたのは収穫です」とはにかんだ。

持ち味のスピードを見せたのは7回。「直球でも変化球でもカウントがとれた。捕手の方も『腕がしっかり振れてた』と言ってくれた」。直球は常時140キロ台中盤。球威も勝り、計3球で2者連続外野フライ。次打者にはカウント2-2から、ファウルにされたが自己最速を5キロ更新する151キロをマーク。最後は146キロ直球で空振り三振を奪った。ただ「追い込んでから(球種の)選択肢が少なかった。増やすのではなく1つ1つの質を上げたい」と慢心なく、課題も持ち帰る。

中日がスカウト会議で候補に挙げた右腕は、今年がドラフト解禁年。昨年は現楽天滝中(6位入団)の存在もあり、公式戦での登板は5試合のみ。だが、威力ある直球や整ったフォームなど、その素質や能力にNPBスカウトから視線を浴びる。「モノにしたいです。投げた試合はすべて勝ちたい。まずは日本一を目指して、そこで良い投球をしたら(プロに)たどり着くのかなと思います」。さらに成長曲線を描き、プロ入りを実現させる。

◆松本竜也(まつもと・りゅうや)1999年(平11)9月18日、奈良県桜井市出身。奈良葛城ボーイズから、智弁学園に進学し1年秋からベンチ入り。高校2年時は春夏甲子園に出場も登板機会はなし。3年時のセンバツでは2戦連続で完投。ホンダ鈴鹿では1年目から公式戦に登板。178センチ、86キロ。右投げ右打ち。