巨人の4年目右腕、高田萌生投手(22)と楽天のサイドスロー左腕、高梨雄平投手(28)のトレードが合意に達したことが14日、分かった。巨人と楽天のトレードは、ゼラス・ウィーラー内野手(33)と池田駿投手(27)に続く今季2例目になる。

現在10勝7敗でリーグ2位の巨人にとって、サイドスロー左腕はチームに不在の希少なタイプ。守護神デラロサが左脇腹肉離れで離脱中で、ブルペン強化はチームの課題に挙がっていた。代役の抑えは沢村を中心として中川、大竹、高木らで乗り切る方針。1軍のリリーフ左腕は中川、高木、藤岡の3人で、高梨が加入すれば大きな戦力になる。

侍ジャパン入りした経験もある高梨は、18年には70試合に登板するなど、3年間で計164試合に登板した実績を持つ。背番号は「53」。9月に13連戦、10月には10連戦などシーズン後半はさらなる過密日程が予定され、経験豊富な左腕への期待は大きい。

パ・リーグ首位の楽天にとっては、チームの課題に挙がる先発候補の補強になる。22歳と若い高田は巨人でも将来を嘱望されていた右腕。創志学園(岡山)時代は「松坂2世」と称され、1軍経験は18年1試合、19年2試合と多くはないが、最速154キロの直球は将来性十分。両球団の思惑が合致した。

◆高梨雄平(たかなし・ゆうへい)1992年(平4)7月13日、埼玉・川越市出身。川越東では日本ハムでヘッドコーチを務めた阿井監督の指導を受け、3年夏に県大会4強。早大3年春季リーグ戦で東京6大学史上3人目の完全試合を達成。JX-ENEOS時代にスリークオーターからサイドスローへ転向。16年にドラフト9位で入団。開幕1軍入りし、4月2日オリックス戦でプロ初登板。同月6日ソフトバンク戦で12球団の新人中最速でプロ初勝利をマーク。18年には球団初の70試合に登板し、昨季はシーズン途中に急性虫垂炎で手術を受けながら48試合に登板した。175センチ、81キロ。左投げ左打ち。今季年俸は4800万円(推定)。

◆高田萌生(たかた・ほうせい)1998年(平10)7月4日、岡山県新見市出身。小学3年からソフトボールを始め、明徳義塾中(高知)では野球部に所属。創志学園(岡山)進学後は1年夏からベンチ入りし、3年春夏に甲子園出場。16年ドラフト5位で巨人入団した。18年7月29日中日戦でプロ初登板初先発。同年のイースタン・リーグでは最優秀防御率、最多勝、最高勝率のタイトルを獲得した。今季は3月の練習試合期間まで1軍も、6月の練習試合再開以降、1軍登板はなかった。プロ通算3試合に登板し、0勝1敗、防御率11・57。178センチ、83キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸710万円(推定)。