阪神木浪聖也内野手がポイントゲッターになりきった。勝負を決める一撃を放ったのは1点リードの6回だ。直前に梅野が送りバントに失敗して1死一塁。一瞬、止まってしまった流れを再び動かした。星の浮いたフォークを逃さない。バットのヘッドを走らせると、大飛球は浜風にも乗って左翼ポールを直撃。今季1号2ランで引導を渡した。

「逆方向に飛ぶのは自分の中ですごい進歩している。オフからずっと逆方向は意識していた。こういう形で打てたのはよかった」

進歩を証明するアーチになった。4回は同点に追いついた直後の1死二、三塁で右翼へ勝ち越しの犠飛。今季52打席目で初打点を挙げた。3打点に加え、手堅い守備も光る。昨季15失策が、ここまで無失策だ。「守備が今年の課題。『常に飛んでこい』と思ってやっている。準備がちゃんとできているから、いい形になっている」と胸を張った。

遊撃のレギュラーを手中に収めつつある。開幕当初は投手の左右で北條と併用されたが、4日広島戦から7試合連続先発。「結果を出さないとすぐに代えられてしまう。1日1日が勝負」と気を引き締めた。矢野監督も「(打撃で)ボールはずっと見えている。2点は大きかった」と評価する。まだ打率は2割2分。プロ2年目の飛躍へ、ようやくエンジンがかかってきた。