先発の広島クリス・ジョンソン投手(35)が5回5安打5失点で今季3敗目を喫した。終始制球が安定せず、4四球を与える展開で、巨人ウィーラーには移籍初アーチも献上した。

マツダスタジアムでの巨人戦は通算8試合目で初黒星、開幕から登板4試合勝ち星なしは来日6年目で自己最長となった。チームも連敗で借金は今季ワーストタイの3。来日5年間で57勝を挙げた左の柱がなかなか勝てない。

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マウンド上にチームの勝ち頭の姿はなかった。K・ジョンソンは終始いら立ちを抑えられず、制球は最後まで不安定で5回5安打5失点。相手に傾いた流れを断ち切ることができなかった。開幕から4試合に先発し、いまだに勝ち星はなし。リーグワーストの今季3敗目を喫した。試合後左腕は球団を通じ「次に向けて頑張ります」と前向きなコメントを残した。

出ばなをくじかれた。初回に先頭の北村に右前打を許すと、2死二塁から岡本に変化球を中前へ運ばれあっさり先制点を奪われた。小雨が降り注いだ3回には連続四球も絡み、さらに2失点。負の連鎖は止まらない。5回にはウィーラーに直球を捉えられ、右中間へダメ押しの2ランを被弾した。

佐々岡監督は左腕の内容について「四球が全部点に絡んだ。そういうところを変えないとチームにリズムが生まれない」と指摘。「投手中心の守りの野球をしようと言っておいて、それができていない。せっかくファンに入ってもらった中で失礼な試合をして申し訳ない」と肩を落とした。

勝利の条件はそろっていた…はずだった。この日の試合前までK・ジョンソンは巨人戦通算8勝4敗。本拠地マツダスタジアムに限れば7試合で3勝0敗、防御率は1・32と圧倒的なGキラーぶりを発揮していた。同戦では19年5月4日から13イニング連続無失点を続けていたが、初回に簡単に好データを崩された。

来日1年目の15年には14勝7敗、防御率1・85で最優秀防御率を獲得。自身最多の15勝を挙げ、25年ぶりのリーグ優勝に貢献した16年は海外出身選手としては史上2人目の沢村賞を受賞していた。昨季も大瀬良と並びチームトップタイの11勝を挙げ、今季も左腕の柱として期待されていた。しかしまだ本来の姿を見せることができていない。5年間で57勝を挙げた助っ人左腕の復活がチーム浮上の鍵を握っている。【古財稜明】