ロッテが誇る“柿の種バッテリー”の戦略が、日本ハム打線を湿らせた。

4回に4-2と逆転し、その裏の投球。種市篤暉投手(21)は先頭の3番近藤に四球を与え、4番中田を迎えた。嫌な展開ながらフルカウントまで追い込むと、最後は145キロで内角を突いた。詰まらせ、遊ゴロ併殺打に。相手主砲に力勝ちして勢いに乗り、7回を2失点で投げ抜いた。

布石は、2回裏に浴びた2本のソロ。柿沼友哉捕手(27)は「直球が動いている」と感じた。普段はあまりない、種市のシュート回転。話し合い、それを生かすことにした。中田への勝負球もナチュラルに食い込んだ。「タネがしっかり投げきってくれた」と理想の球筋で勝った。

シュート回転は長打につながりやすい。ただ種市は「試合中にフォームの修正はあまりできない」と考える。「できるだけインコースを突こう」という逆転の発想が、相手打線のスイングを崩していった。【金子真仁】