DeNA大貫晋一投手が横浜スタジアムでスポットライトを浴びた。本拠地での有観客試合、6戦目での初勝利。7回1安打無失点の快投でチームに8試合ぶりの白星をもたらした2年目右腕は「1球1球、トバさん(戸柱)のミットを目がけて投げた。自分でも意図を持って投げることを心掛けた。序盤に点を取ってもらい、投げやすく、いいリズムで投げられた」。上限ギリギリの4973人の観客の拍手がこだました。

雨上がりのマウンドで夏の涼しい夜風を浴びた。小さな変化でバットの芯を外すツーシームが得意球。制球力が高いスプリット、緩急のスパイスになるカーブ。テンポよく打たせ、7回2死まで無安打投球を披露した。快挙まであと7人…とざわつき始めた周囲を視界に入れず「まったく意識していない。スコアボードを見たらやっぱり分かってしまうので、意識しないように。いや意識はしていないです」と我を貫いた。

グラブから始動する新フォームが、痛打を浴びない投球へとつながっている。昨季は6打席で3被弾したヤクルト村上を、この日は投ゴロ2つと四球に封じた。「苦手意識はあった。四球でもいいかなという気持ちで、とにかく丁寧に低めに投げることだけ」とフォームが安定したことで制球も定まった。「突っ込むことがだいぶ減った。指にかかっているボールも投げられている」と自信も芽生えた。

チームは6得点を量産し、無失点でトンネルを抜けた。大貫の自身2連勝となる白星が、チームの連勝につながる1勝になる。【為田聡史】