中日福谷浩司投手(29)が28日広島戦(マツダスタジアム)で約1年ぶりの先発で1軍復帰登板する。昨年5月の同戦でプロ入り初先発し好投。登板直後に故障し1年を棒に振った。先発初勝利を目指し、今季最多借金8を返済するための起爆剤として復帰登板に臨む。

今季初昇格初先発を控えた福谷は、ナゴヤ球場でキャッチボール、ダッシュなどで汗を流した。曇天とは対照的に表情は明るい。「去年のことは忘れています。また明日には明日、緊張とか来るとは思いますけど、今はわくわくしています」。

12年に慶大からドラフト1位で入団して以来、守護神、中継ぎとして活躍したが、昨年5月6日広島戦(ナゴヤドーム)でプロ7年目で初先発。白星こそ逃したが6回102球6安打1失点と転向初戦を華々しく飾った。しかし、直後に椎間板ヘルニアを発症。1試合登板で1年を終えた。「腰を含めて再発防止の体の使い方とかを、一から見直してやってきた」。今季はウエスタン・リーグで3試合に登板、防御率0・82の安定感で1軍昇格を果たした。

広島は26日DeNA戦で6点差から逆転勝ちするなど5位ながらチーム打率2割8分9厘と打線が好調。「いままではそういうのをチェックし過ぎて、変なものをマウンドに持っていった」。理工学部出身だが、今回ばかりはデータは気にしない。「チームの状況とか、流れなんて、正直、僕には関係ない。最後までいけるならいきたいです」。先発初勝利だけでなく、初完投も。1年前の忘れ物を取りに理系右腕がマウンドに帰ってくる。【伊東大介】