日本ハム栗山英樹監督(59)が史上24人目の監督通算600勝を達成した。

ロッテ11回戦(ZOZOマリン)は、4番中田翔内野手とエース有原航平投手の活躍で今季初めての0封勝利。最高の形で節目を飾った。常に選手に寄り添いながら白星を積み上げてきた指揮官は、親分こと大沢啓二氏が持つ球団最多記録の631勝超えも、はっきりと視界にとらえた。

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栗山監督は試合後、開口一番で「600勝のことは聞くなよ。有原、ナイスピッチングだったね」と言った。4番中田が力強く打点を稼ぎ、エース有原が7回無失点の快投。8回には清宮幸太郎内野手も適時二塁打を放ち、絶大な信頼を置く宮西尚生投手と秋吉亮投手で今季初の0封リレーを締めた。「昨日までの流れがよくなかったので、いい形だったと思う」。手塩にかけて育ててきた主役たちによる会心の勝利。積み上げてきた白星は600に到達した。

栗山監督 縁があって、過去の選手たちも含めて、こういう最高の選手たちに出会えた。600勝っていうことは、どうでもいいけど、彼らと野球が一緒にできることを感謝している。

選手の成長だけを願い、勝利を追い求めてきた監督生活は9年目を迎えている。「毎日勉強することばっかり。一緒に600回、喜ばせてもらっているだけの話。全く意味のない記録だよ」。照れ隠しでも、謙遜でもない。いつだって、選手第一主義を貫いてきた。「スカウティングと育成」を掲げるチーム方針の下、若手を育てながら勝つ方法を365日、考え続けている。

栗山監督 どこかで誰かが、オレが死ぬ時に「監督、ありがとう」って言ってくれたら…。言ってもらえるように、頑張るしかないじゃない。

目先の感謝より、選手が人生を振り返った時に感謝される存在でありたい-。譲れぬ純粋な願いがブレたことはない。ひたむきに、チームに尽くしてきた中で、新たな節目も近づく。

監督勝利数の球団最多記録は“親分”こと大沢啓二氏の631勝。今季中にも記録を更新できるところまで来たが、栗山監督は「全然、関係ない。それよりも、今日1日、幸せだったなって」と選手を勝たせて喜ばせることしか頭にない。節目を飾った完璧な試合運びで連敗を止めて貯金1。唯一無二の目標、日本一だけを目指して、これからも全力を尽くし続ける。【木下大輔】

▼監督通算600勝=栗山監督(日本ハム) 15日のロッテ11回戦(ZOZOマリン)に勝利して達成。初勝利は12年3月30日の西武1回戦(札幌ドーム)で、通算成績は600勝565敗31分け、勝率5割1分5厘。通算600勝以上はプロ野球24人目で、日本ハムでは631勝の大沢監督(他にロッテで94勝)に次いで2人目。

▽日本ハム清宮(8回に適時二塁打) 自分のスイングを心掛けて打席に入った結果、良い形で追加点の適時打を打ててよかった。