昨秋東北王者の青森山田シニアが現チーム初の公式戦コールド負けを喫し、初戦で姿を消した。自慢の投手陣が崩れた。先発した三浦遼大外野手(3年)が3回、先頭から犠打を挟み6連打を浴び、打者一巡の猛攻を受けて4失点。2番手の桜田朔投手(2年)、3番手の鈴木颯夏外野手(3年)も勢いを止められなかった。4番手のエース右腕・佐藤千真(3年)は4-9の5回、味方失策と適時打によるサヨナラコールド負けに、マウンド付近で立ち尽くした。

中條純監督(29)は「疲労を言い訳にしたくないが、(投手陣の)球が走っていなかった。高く浮いたボールを痛打された」と残念がった。14、15日の2日間で、選手権東北大会を3試合戦った。16日に青森から大阪に13時間かけてバス移動。例年なら、現地の温泉施設やプールで心身ともにリフレッシュするが、コロナ禍でホテル内での自粛を余儀なくされた。

それでも打線は、4番鈴木と5番尾形佳記捕手(3年)が気を吐いた。0-6の4回無死。鈴木が左翼スタンドの林へと消える豪快弾。尾形は1-9の5回2死満塁から2点適時打を放ち、1度はコールド負けを阻止した。2人は「負けた悔しさを忘れずに東北大会優勝、日本一を目指していきたい」と口をそろえた。22日には選手権東北大会準々決勝を控えており、この日の全国選抜2回戦を勝ち上がった宮城北部と対戦とする。悔しい敗戦を糧に、過酷な道のりをVロードに変える。【佐藤究】