広島堂林翔太内野手(29)が、1発を含む2安打4打点で巨人連倒を導いた。

前日21日から新打線の5番で起用され、1点を勝ち越した3回に追加点の2点タイムリー。4回にはバックスクリーンへ11号2ランをたたき込んだ。一時3割を切った打率を3割1分1厘にまで戻した新5番が、佐々岡カープを上位へ押し上げる。

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食らいつく気持ちが白球に乗って、野手の間を抜いた。1点を勝ち越した3回。なおも1死満塁で5番堂林は巨人田中豊に追い込まれたが、外角低めスライダーに粘り腰でバットの先に当てた。開幕から徹底する中堅から右方向の意識が下半身の粘りとなり、転がった打球は一、二塁間を抜けていった。

「とにかく点を取る。ただ、それだけを考えて打席に入りました」。

中軸としての自覚が芽生えつつある。5点リードの4回は左腕大江の内角直球をコンパクトに振り抜き、バックスクリーンに放り込んだ。最近4試合で3本塁打。5試合連続打点と、長打力とともに勝負強さも光る。一時3割を切った打率も3割1分1厘に戻した。

20日まで広島は10試合1試合平均2・5得点。前日21日から打順を入れ替えた。リーグ2位の出塁率4割3分を残す4番鈴木誠の後ろを託された。「(打順が変わっても)やることは変わらない。でも誠也をサポートできればと思っている。誠也が打てなければ何とか自分が打てるように」。新打線の中軸にどっしり座り、2安打4打点。前日の7得点に続き、この日は10得点に導いた。

得点力だけでなく、広島に補い合う形が戻ってきた。大量リードの試合展開にも8番田中広は粘って2四球。本調子ではない4番鈴木も無安打ながら3出塁で2得点を記録した。試合前には堂林の守備面をサポートしようと、菊池涼が三塁後方からノックを見守り、キャッチボール相手を務める田中広は身ぶり手ぶりで下半身の使い方などをアドバイス。浮上の気配が見えるチームに、佐々岡監督も「うちらしい点の取り方に、1発もあっていい攻撃ができている」と手ごたえを感じている。先発全員出塁で首位に連勝、今季初の巨人戦カード勝ち越しを決めた。新打線とともに、佐々岡広島が停滞感を打ち破ろうとしている。【前原淳】

▽広島会沢(7点リードの4回に右越え4号ソロ) いい追加点になってよかったです。

▽広島西川(初回1死二塁から右前へ先制タイムリー) チャンスだったので後ろにつなぐ気持ちでいきました。菊池さんがよく走ってくれました」 広島会沢(8点リードの4回に右越え4号ソロ)「いい追加点になってよかったです。