阪神オネルキ・ガルシア投手(31)に、聖地の神様がやっとほほえんだ。甲子園通算13度目の先発で初勝利。「本当にうれしい。ここにいる皆さん、テレビの前の皆さんと勝利を分かち合えてうれしい」。制球良くボールをちりばめ、4回まで無安打投球。古巣中日打線を抑え込んだ。

5回に追いつかれ、6回無死二、三塁からビシエドの犠飛で勝ち越されたが、最少失点で踏ん張った。降板直後に陽川が逆転3ランを放つと、ベンチの最前列で体いっぱいに喜びを表現。「自分の喜びが全部出たかな。彼のおかげで試合もひっくり返ったし、自分の気持ちも変わったし、そこからモチベーションを高く持つことができた」。力のこもった「ゴリラポーズ」で迎えると、ダメ押し2ランを放ったボーアには「ファイアボール」でお出迎え。お立ち台では陽川にバナナを手渡すなど、陽気な助っ人はいつにも増して楽しそうだった。

昨季終盤にロングリリーフとして甲子園で3連勝を挙げていたが、中日時代の18年から甲子園で先発した試合は12戦0勝4敗。「勝てないことは気にはしながらも、いつもポジティブな気持ちで投げていたよ」。前日25日の練習後には、自宅で髪を赤色に染めていた。昨季の2軍調整中も赤いモヒカンヘアで気分転換。「なにか自分の中で変えられることがあればと思って」。ラッキーカラーの験担ぎも実って記念の白星。赤い髪のガルシアがここから勢いに乗る。【磯綾乃】