<オリックス1-5ロッテ>◇29日◇京セラドーム大阪

2位ロッテがオリックス戦の今季勝ち越しをかけた一戦で、謎が残った。もし1点差のままだったら、8、9回の投手起用はどうしていたのだろう-。

先発二木が踏ん張り、7回終了時は2-1。実は、勝ちパターンの継投を使いづらい1日だった。8回に4点差に広げ、継投のタフさは緩和された。井口資仁監督(45)は試合後、隠さずに明かした。

「唐川、東妻で(点差次第で9回は)益田の予定ではありました。今日はハーマンを休ませようと思っていたので」

唐川-ハーマン-益田が、終盤3イニングの必勝リレーだ。3人は8月に限ると防御率0・53を誇る。ただ、継投には独自のルールも設ける。今季は3日間続けて登板した投手がいない。6連戦のうちに4度投げた投手は1人もいない。故障と疲労蓄積のリスクを下げる。

すべては最終目標への伏線だ。3人を「投げさせない」と決める試合も、当然生まれる。ここまで61試合の救援防御率が如実だ。勝ち試合は2・78で、負け試合は6・54。8月に限ると、後者は9・58にまで落ちる。種市と西野が故障で離脱し、ジャクソンも退団。決して厚くはない投手層では、割り切りも戦略の1つになる。

今週はハーマンと益田がすでに3度、唐川は2度投げていた。8回表にセーブ条件外になったのは大きい。井口監督も「益田、ハーマンと唐川も休めたので、明日また全力でいけると思います」と勝利の大きさをかみしめた。

徹底した登板管理の先に“打倒ソフトバンク”があるのは明らかだ。フル稼働の照準は「最後の1カ月、勝負になってきたところでどんどんと」と10月以降に定める。3試合連続無失点の東妻ら若手も頼もしくなってきた。ソフトバンクとは残り15試合、うち10月以降に9試合もある。今はまだその時ではない。最終決戦に2020年の全てを注ぐべく、カレンダーが組まれている。【金子真仁】