西武森友哉捕手(25)が、鬼門の札幌ドームで初アーチを放ち、勝利をたぐり寄せた。

1点リードの2回2死一塁で迎えた第2打席。日本ハム杉浦の低めのチェンジアップを右翼スタンドへ6号2ランを運んだ。「今日は初めて札幌ドームでホームランが打てたのでうれしいです。札幌ドームには苦手意識がありましたので」とパ・リーグ本拠地の6球場を制覇。今季2敗を喫していた杉浦への先制パンチで主導権を握った。

初アーチの森だけでなく、チームにも北の大地には逆風が吹いていた。8月の札幌ドーム6連戦の3戦目からの4連敗で、15年以来5年ぶりの7連敗が始まった。日本ハムには試合前時点で3勝9敗と大きく負け越していたが、この日の快勝に辻監督も「今日の1勝は大きい」。8月6日から約1カ月間、5位に沈んでいるが、これで4位日本ハムとは1・5ゲーム差。背中が見えてきた。

涙にくれた森の顔にも、笑顔が戻ってきた。先発マスクを1年目柘植に譲った8月27日の日本ハム戦。必勝リレーと同時に試合途中からマスクをかぶると、一時逆転を許した。兄貴分の山川のサヨナラ打で勝利を引き寄せたが、試合後はベンチで号泣。ふがいない自分を責めるように涙を流していた森は「バッティングの調子自体は、今年はずっとこんな感じが続くのかなと思うので、とにかく1日1日、何とかいい結果を残せるように向き合っていきます」。しっかりと前を見つめていた。【栗田成芳】

▽西武辻監督(今季4連敗中だった敵地での日本ハム戦で勝利)「今日はみんな移動ゲームでしんどいと思うけど、栗山も休ませないといけないというところで今日の1勝は大きい」