雨を味方につけ、ヤクルトが連敗を3で止めて5位に浮上した。

5回終了後、降雨のため28分間の中断。傘を振るチャンスとばかりに集中力を高め、1点を追う再開後の6回、散発2安打と封じ込まれていた中日ロドリゲスに一気に襲いかかった。3連打で同点とし、なお1死一、三塁で途中出場の雄平の第1打席。1球目をファウルとすると、2球目はしっかり合わせて一塁の横を抜ける右前打を放ち、勝ち越した。

青木の途中交代で急にきた出番だったが、序盤から準備していた。試合中、ベンチで坂口や青木ら同じ左打者から情報を聞き、打線が苦しめられていたスライダーを捉えた。今季は不調で7月に登録抹消を経験。悔しさをこらえ、2軍で必死にバットを振った。1カ月後に再昇格してからも若手に交じって早出練習に参加し、汗を流した。

高津監督は「何とかしてやろうという気持ちがすごく出ていたし、ヒット1本に飢えてる感じ。そういう姿勢が大事だし必要」と評価。本人も「飢えまくっている。チームに貢献したい思いが強いし、こういう日のために毎日一生懸命やっている」と笑顔を見せた。【保坂恭子】