中日の大野雄大投手(31)は9回を投げきったが、ここ5試合完投で挙げた勝利ではなく敗戦完投。115球6安打2失点の力投も打線の援護がなく、7回無失点の巨人菅野に10勝目を与える結果となった。残念無念の6戦連続完投だ。

与えたくなかった先制点を奪われた。3回、坂本に左翼フェンス直撃のタイムリーが自身28イニングぶりの失点。「ボールツーから落ちる球を選択したんですけど坂本選手にうまく打たれた。先制点を与えてしまったのが負けた原因でしょう」。この1点が7月17日以来の4敗目に直結した。

登板前日には「僕は最初の1点をやらないように初回から全力でいくんで、途中でバテたらすいませんという感じでいきます」と話していた。相手はチームが今季2戦とも完封負けしている菅野。球団新となる連続完投勝利の記録も3連続完封も二の次で臨む覚悟を示していただけに先に与えた1点を悔やんだ。

大野雄の菅野観は明快だ。「同じ先発ピッチャーとして尊敬している。先発はこうあるべきやというのを成績でも発言でも残している」。1歳年下の右腕へ最大の敬意を払う。その菅野は序盤のピンチも無失点で切り抜けた。「いいピッチャーは先に点を取られへんな、と。そういうことを感じました」とライバルチームのエースの力と技を再認識した。バットでも2安打を放つ執念を見せたが、エース対決に敗れ、首位巨人との差は11・5ゲームと大きく広がった。【安藤宏樹】