巨人原辰徳監督(62)が、「打撃の神様」で「V9監督」の川上哲治氏に並ぶ、球団史上最多タイの監督通算1066勝目を挙げた。

◆原辰徳(はら・たつのり)1958年(昭33)7月22日、福岡県生まれ。東海大相模で甲子園4度出場。東海大を経て80年ドラフト1位で巨人入団。1年目に22本塁打で新人王。83年打点王、MVP。ベストナイン5度、ゴールデングラブ賞2度。95年に引退し、99年にコーチで巨人復帰。02年監督就任し、日本一。03年退任も06年復帰し、2度のリーグ3連覇。15年退任し、19年に3度目の監督就任。09年WBCでは日本代表を率いて世界一。02、09、12年正力松太郎賞。18年野球殿堂入り。180センチ、86キロ。右投げ右打ち。

<原監督アラカルト>

◆実力、勝利至上主義 実績にこだわらない起用は、第1次政権時から一貫している。坂本、内海、東野、山口鉄…状態を見極めて抜てきした生え抜きの若駒が次々とチャンスをつかみ、成長した。主力の送りバントは代名詞に。

◆配置転換 先発の軸だった上原、高橋尚らの抑え起用、中軸の高橋由を1番、昨季からは坂本を2番に配し、大胆な持ち場の変更で、即結果につなげた。一塁に挑戦した捕手阿部を、チーム事情から即捕手に戻す柔軟さも。09年WBCでは、ダルビッシュを抑えに回し連覇達成。

◆革新的 極端な守備陣形、ダブルスチール、偽装スクイズなど、ベンチ主導の用兵、戦略、戦術を駆使してゲームを動かしていく。今季も増田大の投手起用が大きな話題となった。打順の組み替えも多用し、今季は67試合ですでに57通り。WBCでは上中下位それぞれにポイントを作り波状攻撃を仕掛ける「車懸りの陣」を実践した。根底には「責任はベンチが負う」。

◆言葉の力 「本当におまえさんたちは、強い侍になった!」「2代目若大将」「胸と胸を突き合わせて」「毒を食っても肥やしとする」「ジャイアンツ愛」「朗らかさ、素直さ、謙虚さ」「水を得たフィッシュ」「将棋は人生の縮図」「個人より巨人」…ファンとチームへの愛情。