1勝差で2位につけていた苫小牧駒大が、首位函館大にサヨナラ勝ちした。同じく2敗で追っていた東農大北海道も旭川大に勝ち、3チームが8勝2敗で並んだため、08年春以来12年ぶりに優勝決定トーナメント(苫小牧・とましんスタジアム)を行う。抽選の結果、23日の1回戦が函館大-東農大北海道。勝者が24日、苫小牧駒大と優勝決定戦を行う。

苫小牧駒大が、前日の雪辱を果たした。延長10回2死満塁で4番片岡新吾三塁手(4年=札幌大谷)が押し出しの四球を選び劇的勝利。10回142球を投げ6安打完封の後藤晟(じょう、2年=松本国際)は「負けたら終わりの中、しっかり投げられて良かった」と目を潤ませた。

21日の函館大戦はドラフト上位候補のエース伊藤大海(4年=駒大苫小牧)が9回2/3、162球の熱投もサヨナラ負け。夜、後藤は伊藤からラインメッセージを受けた。「もう1回、俺をマウンドに上げさせてくれ」。この日の登板前、興奮して鼻血を出した後藤は「大海さんのプレッシャーも力になった」と振り返った。

2年前の秋、体験会で伊藤に「一緒にやろう」と声をかけられ進学を決意。体の使い方から精神面まで、すべてを学んできた。リーグトップ4勝を挙げた後藤は、優勝決定トーナメントへ向け「疲れているなんて言っていられない。いつでもいく」。来年春から校名が北洋大に変更される。フォームもそっくりなGIコンビで、「苫小牧駒大」として最後のリーグタイトルを引き寄せる。【永野高輔】

▽苫小牧駒大・大滝敏之監督(66) みんなの勝ちたいという執念が、最後、片岡に乗り移った。後藤も丁寧に投げてくれた。

▽苫小牧駒大・伊藤「後藤には試合中『とにかく我慢、耐えろ』と言い続けた。素晴らしい投球に感謝です。次は自分が先輩の意地を見せたい」