犬鷲の福男が「連敗ストップ弾」で勝ち運を引き寄せた。楽天小郷裕哉外野手(24)が1軍再昇格後、即スタメン出場し、今季1号ソロを放った。7月9日ソフトバンク戦以来、今季2度目のスタメン起用に応えた。チームの窮地を救う1発で連敗を4で止めた。今季キャンプ前の1月に鹿児島・大崎町の「おおさき福男福女選び」に参加し、4代目壱番福を勝ち取った“ラッキーボーイ”が反撃の号砲を打ち上げた。

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勢いよく左翼席まで伸びた。小郷の手に好感触が伝わった。2回先頭で打席に入る。1ボールからの2球目を気持ちよく捉えた。「塁に出ようと思っていましたが、よく飛んでくれました」。1軍昇格後、即スタメン起用に今季1号ソロで応えた。白球から目を切り、快足を飛ばすことなく悠々とダイヤモンドを周回。「上位に食い込んでいくという厳しい状況の中で三木監督がスタメンで使ってくださったので、ファームでやってきたことを出せたらいいなと思ってやりました」と満点回答を示した。

ペナントレース大詰めを迎える勝負の秋。強運を発揮するときがきた。1月の自主トレ中に鹿児島・大崎町の“福男レース”に参戦。356メートルのほぼ上り坂を55秒で走り抜き「壱番福」の称号を得た。前回昇格時の8月27日は途中出場で空振り三振も、チームの連敗は4で止まった。今回は昇格当日に「9番右翼」でスタメン出場し、1本塁打を含むマルチ安打の活躍で、またしても連敗を4で止めた。

プロ入り2年目。ここまで1軍の先発は2試合だけで、代走を中心に27試合の出場にとどまっている。「本当はずっと1軍に帯同したい」が満足はない。だから、この先の戦いを強く意識する。「連敗が止まったので、ここから残り1カ月弱ですが、自分的にはノリノリの状態でずっと1軍でシーズンを終えたいと思っている」と小郷。福男がチームに上昇の勢いを吹き込んだ。【為田聡史】

 

▽楽天三木監督(小郷の1号ソロについて)「ナイスバッティングだった。スピードもある。長打力、パワーもある。逆方向に打てる。素晴らしいこと。スタメンの起用に応えてくれた」