都市対抗野球(11月22日開幕、東京ドーム)出場2枠を争う2次予選東北大会(福島県営あづま球場ほか)が今日6日、計12チームが出場して開幕する。7年ぶり15度目出場に挑むTDK(秋田)は、北畠栞人(かんと)外野手(23=八戸学院大)や植村祐介内野手(23=東海大)ら多くのルーキーが主力を担う可能性大。

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「1番中堅」が濃厚なTDK・北畠は、06年に東北勢唯一の都市対抗優勝を果たしたチームを引っ張る。「トップバッターを任せていただいているので、自分の打撃がチームの結果にもつながると思っている。6年間(都市対抗に)出ていないことも分かっているが、新人らしくいつも通りやることを意識しています」。八戸学院大4年春には打点王、本塁打王、ベストナイン。166センチと小柄ながら広角に長打も打てる3拍子そろった主将として、11季ぶり優勝。MVPも獲得した実績も胸に、平常心で臨む。

個人的にも全国舞台での悔しさがある。19年春の大学選手権1回戦。佛教大に3-0の9回2死2ストライクから4失点してサヨナラ負けを喫した。「同じ東京ドームへの思いは強い。最後まで何があるか分からないことも、諦めない大切さも学んだ試合。リベンジしたい」と意気込んだ。

オープン戦では投手レベルの高さも実感した。「真っすぐのキレ、質は大学とは違う」。気持ち良く打つことを優先していたフリー打撃も、対応力を磨くために変化球を交えた形に変更した。「甘い球は1打席に1球来るか来ないか。1球で仕留める力が重要」。大学の先輩でもあるレッズ秋山翔吾外野手(32)を理想型に、東北社会人トップに立つ。【鎌田直秀】

○…右腕・鈴木大貴(ひろき)投手(23=流通経大)はフル回転を誓った。大会直前のオープン戦では自己最速を更新する150キロをマーク。「自分の長所は真っすぐで押していくこと。大学の時から平均球速も5キロ近く上がっている」。大学時代は抑えが多かったが、常時140キロ台中盤の速球を武器に「先発も任せてもらえる信頼も勝ち取って爪痕を残したい」と挑む。

▼三河聖央(23=国際武道大、大学では全国準優勝にも貢献)「チャンスで打点をかせげる打者になりたい。都市対抗で優勝したいので1球に集中」

▼山形堅心(23=創価大、パンチ力は新人NO・1)「勝つために長打を打ちたい。秋田は自然が多くて、ドライブが気持ち良いです」

▼植村祐介(23=東海大、走塁や守備力も含めて2番濃厚)「点じゃなく打線になるつなぎ役として流れを作りたい。ミスをしない隙のない野球が大事」

▼冨木崚雅(23=東北福祉大、大学時代には日本一も経験)「チャンスなど、ここで打たないとアカンという場面で長打を打って起爆剤になりたい」

▼阿部将大(19=本荘、本拠にかほ市に隣接する由利本荘市出身)「育った地域に恩返し出来るように、都市対抗でチームを勝たせるために若さでガムシャラに投げたい」