七十七銀行(仙台市)が8-4できらやか銀行(山形市)に逆転勝ちし、3時間47分の雨中の銀行対決を制した。2回裏に逆転されたが3回表に再逆転。直後に2番手で救援したプロ注目の最速150キロ右腕・森翔平投手(23=国学院大)が5回2/3を1安打無失点に抑え、勝利に貢献した。

2点リードで救援した森は相手6、7番をこの日最速の147キロと145キロの速球で2者連続中飛に打ち取り、相手の反撃ムードを断ち切った。続く4回裏1死では相手1番を147キロで、7回裏2死でも相手5番を147キロで空振り三振に切り捨てた。今大会3度目の登板。雨でぬかるんだマウンドでも、無失点回数を12回2/3に伸ばした森は「最初からフルパワーでいきました。(雨でも)しっかり踏み出そうと思った。仲間が点を取ってくれたのでリズムよく投げられました」と振り返った。

ドラフトイヤーを迎え、12年に楽天入りした兄の森雄大投手(26)の背中を追う。高卒1位指名の兄と違い、弟は大学2年まで右ひじを痛め、東都リーグデビューは4年秋と遅咲きだ。国学院大・鳥山泰孝監督の推薦で七十七銀行入りし「誘いがなければ野球をやめるつもりでした。拾ってもらってありがたかった」と、常に感謝の気持ちを込めてマウンドに上がる。

現在、育成の兄とは左右のタイプは違うが、体作りや食事面の助言を受けている。26日のドラフト会議を前に「夢であり。目指せる力はついてきたと思う。1人でも多くの打者と対戦してアピールしたい」と力を込めた。【佐々木雄高】