逆転最多勝も視野に入る日本ハム上沢直之投手(26)が、13日西武戦(札幌ドーム)に先発する。今季3戦3勝と相性がいい相手だが、チームの勝利に貢献することだけを誓った。「とにかく最少失点に抑えることを意識してやりたい」。献身的に自分のやるべきことをやってきた結果が8勝。最多勝争いで3位の位置に付けている。

個人記録よりチームを優先するだけに、初タイトルに色気は見せない。「そこは兼ね合いもあるし、どうか分からないですけど、とにかくチームが勝てる投球ができたらいい」。勝ち星を得るには打線の援護も必要。10勝でハーラートップの楽天涌井や9勝のロッテ美馬の動向にも左右される。コントロールできるのは、対戦する打線を封じていくことだけ。その積み重ねだけが、白星につながることを知っている。

先発としての仕事を果たせば、目標の数字も見えてくる。「見えるところにいるんで、せっかくなら、したいなという思いもあります」と話すのは2年ぶりの2桁勝利だ。「登板数的にも狙える位置にいる」と見据えるように、残りは4試合ほどの先発機会が見込まれている。まずは、13日に王手をかけたいところだ。

今季の規定投球回はシーズン120回だが、上沢はここまで86回。あと34回を投げるには、最低でも9回完投が2度必要となる。「最後まで望みがあるように、しっかり次の試合も長いイニング投げられたらいい」。規定に到達すれば、最優秀防御率に輝く可能性も残している。どんな状況でも、最後まで課された役割を全うしていく。【木下大輔】